赤い船とつばめ – O pequeno texto que captou minha atenção pela sutileza
Swallow over the Ocean Wave, de Ohara Koson (1877–1945). 赤 い 船 とつばめ¹ 小川未明 ある 日 ( ひ ) の 晩方 ( ばんがた ) 、 赤 ( あか ) い 船 ( ふね ) が、 浜辺 ( はまべ ) につきました。その 船 は、 南 ( みなみ ) の 国 ( くに ) からきたので、つばめを 迎 ( むか ) えに、 王 ( おう ) さまが、 よこされたものです 。 長 ( なが ) い 間 ( あいだ ) 、 北 ( きた ) の 青 ( あお ) い 海 ( うみ ) の 上 ( うえ ) を 飛 ( と ) んだり、 電信柱 ( でんしんばしら ) の 上 にとまって、さえずっていましたつばめたちは、 秋風 ( あきかぜ ) がそよそよと 吹 ( ふ ) いて、 木 ( き ) の 葉 ( は ) が 色 ( いろ ) づくころになると、もはや、 南 の 方 ( ほう ) のお 家 ( うち ) へ 帰 ( かえ ) らなければなりませんでした。 寒 ( さむ ) さに 弱 ( よわ ) い、この 小鳥 ( ことり ) は、あたたかなところに 育 ( そだ ) つように 生 ( う ) まれついたからです。 王 さまは、もうつばめらの 帰 る 時分 ( じぶん ) だと 思 ( おも ) うと、 赤 い 船 を 迎 えによこされました。つばめたちも、 船 に 乗 ( の ) りおくれてはならぬと 思 って、その 時分 には、 海岸 ( かいがん ) の 近 ( ちか ) くにきて、 気 ( き ) をつけていました。そして、 波間 ( なみま ) に、 赤 い 船 が 見 ( み ) えると、 「キイ、キイ …… 。」といって、 喜 ( よろこ ) んで 鳴 ( な ) いたのです。 早 ( はや ) く 見 ( み ) つけたつばめは、それをまだ 知 ( し ) らない 友 ( とも ) だちに 告 ( つ ) げるために、 空高 ( そらたか ) く 舞 ( ま ) い 上 ( あ ) がって、 紺色 ( こんいろ ) の 美 ( うつく ) しい 翼 ( つばさ ) をひ