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赤い船とつばめ – O pequeno texto que captou minha atenção pela sutileza

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Swallow over the Ocean Wave,  de Ohara Koson (1877–1945).   赤 い 船 とつばめ¹ 小川未明 ある 日 ( ひ ) の 晩方 ( ばんがた ) 、 赤 ( あか ) い 船 ( ふね ) が、 浜辺 ( はまべ ) につきました。その 船 は、 南 ( みなみ ) の 国 ( くに ) からきたので、つばめを 迎 ( むか ) えに、 王 ( おう ) さまが、 よこされたものです 。 長 ( なが ) い 間 ( あいだ ) 、 北 ( きた ) の 青 ( あお ) い 海 ( うみ ) の 上 ( うえ ) を 飛 ( と ) んだり、 電信柱 ( でんしんばしら ) の 上 にとまって、さえずっていましたつばめたちは、 秋風 ( あきかぜ ) がそよそよと 吹 ( ふ ) いて、 木 ( き ) の 葉 ( は ) が 色 ( いろ ) づくころになると、もはや、 南 の 方 ( ほう ) のお 家 ( うち ) へ 帰 ( かえ ) らなければなりませんでした。 寒 ( さむ ) さに 弱 ( よわ ) い、この 小鳥 ( ことり ) は、あたたかなところに 育 ( そだ ) つように 生 ( う ) まれついたからです。 王 さまは、もうつばめらの 帰 る 時分 ( じぶん ) だと 思 ( おも ) うと、 赤 い 船 を 迎 えによこされました。つばめたちも、 船 に 乗 ( の ) りおくれてはならぬと 思 って、その 時分 には、 海岸 ( かいがん ) の 近 ( ちか ) くにきて、 気 ( き ) をつけていました。そして、 波間 ( なみま ) に、 赤 い 船 が 見 ( み ) えると、 「キイ、キイ …… 。」といって、 喜 ( よろこ ) んで 鳴 ( な ) いたのです。 早 ( はや ) く 見 ( み ) つけたつばめは、それをまだ 知 ( し ) らない 友 ( とも ) だちに 告 ( つ ) げるために、 空高 ( そらたか ) く 舞 ( ま ) い 上 ( あ ) がって、 紺色 ( こんいろ ) の 美 ( うつく ) しい 翼 ( つばさ ) をひ

リーブザル国物語 - As Crônicas de Líbsar

ネードガルに現れた余所者 第一話 リーブザル国は、最も重要な王国にあり、その北には、ネードガルと呼ばれる、大きくて賑やかな町がありました。「北部の息子」という名の秘密の騎士団によって、何万年もの間、その町は守られてきました。そして秘密の騎士団が守り続ける限り誰も侵入することはできないでしょう。 家々の屋根に叩きつける雨音が心地よく町に響き渡るある日の冬。リーブザル国のあいだでも一番安全だというこの町で、びしょ濡れになったコートを脱ぎながら、町外れにある宿で、一部屋借りたいと言う、背丈の高い長髪に帽子姿の余所者が現れた。その宿は町外れにあり、周辺に住む者は皆知り合いである。そのため長い間知人しか泊めておらず、店主は宿に入ってきた者を一目で余所者だと悟ったのでした。その日、余所者は誰とも喋る事はなく何処かへ出かけて行きました。 宿は一階が食堂で二階には部屋がある、小さいが憩いの場となっていた。食堂は昼間に昼食を楽しむ町外れの住人らが集まり、夜になると酒場としても賑わったのでした。そして、余所者は町外れの住人かのように装い、昼にはそこで食事を、夜になれば仲間達で賑わっているあいだに入ってビールを飲んでいたのです。しかし、誰とも喋る事はなく 特に誰かを探しているように 只々そこへ出入りする人達を眺めているだけでした。 そんな生活が二週間たったころ、余所者は町の何処かへ出掛けては夜遅くに戻り、中身が一杯かつ謎で、とても重そうな鞄を毎晩持ち帰ってくるようになったのでした。その余所者がネードガルに現れてからというもの、あろうことか町では不吉な事件が沢山起こっていたのでした。いままで一番安全だと言われてきたこの町で、不吉な事件が多発したため、余所者について噂がたち、それは瞬く間に街へ、王国へと広がっていきました。 そんなある日、余所者はなんの跡も残す事なく忽然と宿を後にし王国からも姿を消したのです。宿の店主、食堂で食事をしていた住人ら、酒場で集って飲んでいた仲間たち、町外れの住人ら全員が皆混乱に陥ったのです。なぜなら余所者の事を誰一人と知る者はいなかったから。知っている事といえば、部屋を借りる時に残した名前だけだろうか、思い返してみれば、余所者はいつも帽子を深く被り、顔を隠すように長い髪を垂らし